メガバンクから投資銀行への裏ルート 第5話 ~裏ルートの発見~

「豪(ゴウ)さん、週初めはいつもテンションが高いけど、いったい週末何してるんだい?」

月曜の朝になると、そう呼ばれることが多くなった豪。

会社にとどまらず、栄の夜、街を歩けば、豪がいる。

名古屋の女子大御三家「SSK」と呼ばれる金城学院大学、椙山女子学園大学、愛知淑徳大学。

このお嬢様大学出身の女性たちを虜にするのが、豪だ。

そして、寝る間を惜しんで、新幹線に飛び乗り、東京ではフットサルに参加。

仕事もプライベートも絶好調。

気付けば、豪は名古屋で勢いのある男として話題になっていた。

そんな豪(ゴウ)の名古屋生活も、気づけば1年が経とうとした頃、行内での公募案件が回ってきた。

「○○証券、投資銀行部門への派遣、採用予定者〇〇名。」

メガバンクから投資銀行への裏ルート 第5話 ~裏ルートの発見~

投資銀行?

いや、〇〇証券と言えば、うちのグループ会社じゃないか。

言わずもがな、投資銀行への入社難易度の高さは、学生の頃から慶應同期の間でも知らない人などいない。

ゴールドマンサックス、JPモルガン、モルガンスタンレー・・・

ハーバード大学やアイビーリーグを卒業したグローバルエリートが、寝る間を惜しんで戦いを繰り広げる世界。

では、どうしてグローバルエリート達は、投資銀行へ引き付けられるのか?

M&A等の社会に影響を及ぼすインパクトのあるビジネス、キャリアとしてのステータス、様々な魅力が考えらえるが、最も有名な魅力の1つに年収があるだろう。

年収は、新卒時から700~1,000万は固く、上は青天井の世界だ。

社内の廊下を歩けば、1憶、2憶稼ぐ猛者があふれている。

慶應生ならそんな話は誰でも知っているが、「そんな世界あるわけない」と信じない方もいるかもしれない。

名古屋では、トヨタを世界1の企業だと認識している方が多いため、ひょっとすると、トヨタ以上の待遇を持つ会社など存在するわけないと思うかもしれない。

しかし、これは嘘ではない。現実の話だ。

サラリーマンの頂点と言っても過言ではない、エリートサラリーマン憧れの仕事・・・

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