年収1,000万。
大台という言葉で表現され、誰もが憧れる1つの基準だ。
早慶や国公立大学出身の大企業社員であれば、30歳前後でこの基準に達することも少なくない。
そのため、まずはその基準を目指し、なんとなく年収の良さそうな大企業に就職しようとする。
「御社を志望する理由は、○○という業界で、○○の仕事がしたいからです。」
そんなもの後付けだ。
こういう学生も少なからずいるのではないだろうか。
しかし、その年収1,000万円の実生活は、あまりにも余裕のないものだった。
目次
年収1000万なのに貯金0という現実 ~野村證券OBチャンネル~ 伊藤達馬さん
出展:~野村證券OBチャンネル~ 伊藤達馬さん
(慶應義塾大学卒業後、野村證券に入社した後、独立)
この動画を要約すると、
・30歳前後で年収1000万に到達した。
・しかし、欲望の豚になり、お金を使い続けた。
・憧れのタワーマンションにも移住した。
・気づけば、貯金はおろか、借金が数百万円もできていた。
という内容だ。
この方は、
・独身
・1人暮らし
・子供なし
・要介護の家族なし
という環境で、お金を必然的に必要とする環境ではなかった。
年収1,000万といっても税金等を差し引くと、手取り額は750万円程度となる。
その額でも、欲望にブレーキをかけず、アクセルを踏みっぱなしでいると、お金が足りないどころか、借金までしてしまうような事態もあり得るというお話だ。
もしかすると、結婚して子供ができる、親の介護まで面倒を見る可能性がある、という状況になれば、年収1,000万円では余裕がある生活はできないのかもしれない。
実際、年収1,000万円という金額は、都庁や県庁、政令指定都市の大規模な市役所等でも達する額であり、国家公務員ではなく、地方公務員でも達成可能な額である。
そういった勤務先に属している人々が、どのような私生活を過ごしているか、想像すれば、年収1,000万円の現実を察することも、困難ではないのではないだろうか。
決して羽振りの良い生活をしているわけではないということは、容易に想像つくであろう。
それでは、必要な年収はいくらなのか?
こんな話がある。
三菱商事に勤めるTさん。
都内23区内のタワーマンション在住。
元CAの美人妻と結婚し、子供にも恵まれている。
さすが三菱商事、財閥系商社であれば、こんな生活ができるのかと思ったあなたは、警戒が必要だ。
Tさんは言う。
「タワーマンションに住めているのは、親からの支援(数千万~億)があるからです。
独身の頃とは違うので、もちろん三菱商事からの給料だけでは、こんな良いマンションには住めませんよ。
子供の養育費を考えたら、タワーマンションなんていう贅沢にお金を使うのは愚の骨頂ですので、自分の年収だけでは住みません。
もし、ちょっといいマンションだったとしても、23区はおろか、都心を外れたエリアか、東京から出て、川崎や横浜などに住まないと家計は持ちませんでしょうね。
こんな贅沢な暮らしができているのは、すべて親族からの支援のおかげです。
奥さんも元CAという価値観もあり、こういったマンションに住みたがるんです。
まあ、ミーハーな価値観の持ち主である妻の買い物には、お金がいくらあっても足りませんよ。」
実際に、年収1,000~1,500万程度の収入を手にするTさんの言葉には、説得力があった。
あなたは将来、東京都内の23区内に住みたいですか?
タワーマンションに住みたいですか?
奥さんと子供にかこまれて、贅沢な暮らしを実現したいですか?
もしそうだとしたら、年収1,000~1,500万程度では足りないかもしれない。
では、解決策はあるのか?
「子供には、お受験をさせてあげて、名門私立に早い時期から通わせてあげたい。」
「塾だけでも年間100万×数年間くらいは、かかるかもしれない。」
「その結果、子供が私立の医学部に合格したら、学費が6年間で4,000万が必要になった。」
「あ、でも一人暮らしの費用と教科書代・実習代を含めたら、2,000万をプラスして、6,000万ないと足りないかも。」
「でも、マンションは都内の3LDKのマンションは譲れないから、1~2憶は必要かもしれない。」
「おまけに、高級外車にも乗りたい。」
「中古車だから1,000万で買えたけれども、駐車場代だけでも5万/月を払うんだった。」
こんな贅沢な暮らしがしたいなら、考えられる解決策は、例えばこんなところだろうか。
①年収2,000万以上の職を続ける
(単年ではなく、定年までの約30年間程度、コンスタントにこの額が稼げる職)
②夫婦で年収2,000万以上を稼ぎ続ける
③20代~30代で億単位の資産を作り、資産運用益と本業で年収2,000万以上を稼ぎ続ける
④自分や妻の親から数千万~億単位で援助をもらう
あくまでこれは解決策の案に過ぎない。
また、③と④は、他力本願な考え方である。
それゆえ、もし実現できたとしても、幸せになれるかどうかは、本人の価値観によるだろう。
ただ、前述のTさんのように、慶應義塾をはじめとした難関大学出身で一流企業勤務の見栄え良い生活をしている人をよく見かけるが、このタイプの方の両親はたいてい余裕があり、④の支援によることは少なくないというのも事実だ。
結婚式の費用に数百万、マンション購入に数千万~億、子供の養育費等に数百万~数千万、援助を受けたという話もよくある。
誰の力にも頼らず、自力で稼ぐことを目指すのであれば、①や②という選択肢になるのだろうか。
そもそも、本当に贅沢な暮らしがしたいのか?
全ては、読者の皆さん次第だ。