銀行員の生涯年収年収:年功序列が崩れた現代、メーカーよりも低い?

銀行員の生涯年収年収:年功序列が崩れた現代、メーカーよりも低い?

 

慶応大学の就職先として最も人数が多い業界は、どこだかご存知だろうか?

先輩たちがどこに就職したか想像すると、必ず名前の出てくる金融機関・・・
銀行です。

昔から高給取りというイメージが強い銀行員ではあるが…。出世競争に敗れた行員の生涯年収は、メーカー勤務者より劣ると考えられる。

昔は良かった・・・

一昔前、女子行員同士でお喋りする時の隠語として「あの人はWindows 2000だよね」というのがあった。 何のことだか分かりますか?

答えは「窓際族なのに年収2,000万円貰っている」という意味。 数年前まではこんなトークも成り立っていました。 使えないオジサン達を高給で飼殺しておけるほど企業にゆとりがあった時代で、令和の世ではありえない話ですね。

銀行ってブラック企業なの?

入行してからの能力評価も高く、同期の中でいち早く支店長代理へと昇進した師岡さん(37歳)は筆者に本音を吐露した。

管理職に昇進したことで本給は3万円あがったけど、毎月7万円前後貰っていた残業代がなくなり、実質的には減給となってしまった。
そのうえ限界まで仕事を積まれているので、週末に家族サービスをする余裕はない。 子供と遊べる時期は今しかないと分かっていても、家族を避けるように図書館へ行き、月曜日に使う資料の準備をしています。妻には申し訳ないと思っているけど、それを怠ると仕事が回らない。

管理職になって裁量権が増えたわけではなく、ただ単に部下の不始末の責任だけを負わされ精神的に追い詰められるギリギリの毎日。 この状態はブラック企業が人件費を削る為の常套手段である「名ばかり管理職」と同じだな~と思わずにはいられない。 むしゃくしゃする日は「労働基準局にでも駆け込んでやるか!」と何度も脳裏をかすめる。

銀行員とメーカーのモデル賃金を比較

 

これから先のモデル賃金はどうなるのだろうか?
下の比較表は現時点で厚生労働省が開示している統計データを基にして、将来を予測したデータです。

銀行員 メーカー
20代年収 450万円 500万円
30代年収 650万円 700万円
40代年収 900万円 850万円
50代年収 前半 1,100万円 1,000万円
後半 750万円 900万円
60代年収 350万円 500万円

銀行員の給料は、20代は一般企業より低いけど30代後半から年収カーブが急上昇するといわれていた。だから最終的な生涯年収で考えると、銀行員は高給取りになるというロジック。でもその神話は消えた。

 

問題は銀行員の年収ピークが52歳と他業種より少し早いこと。そしてその後の給料減のペースがとてもダイナミック。いきなり数百万円単位で減らされて、最終的には20代の給料並みにまで抑え込まれる。
一般的な企業(製造業・商社など)だと、年収ピークは55歳。その後は「ほぼフラット」か「1~2割カット」というのが基本。

さらに追い打ちをかけるのが60代の処遇。銀行は定年後の再雇用を出来れば避けたいと思っている。その為に50代の行員に対して考えられる限りのひどい仕打ちをする。本人から再雇用を断るように仕向ける作戦。それでも忍耐強い銀行員は再雇用にしがみつく。その場合の待遇は嘱託扱いで、給料は新卒以下というのが定番です。

銀行員は、60代になったら確実に高卒のブルーカラーに負けます。彼等は若手に技能継承という目的で、70歳まで働けるので戦力です。

40代半ばの黄昏研修

現代の40代半ばの行員を待ち受けているのは黄昏研修。 黄昏研修とは何か? 表向きは能力開発研修と言われているが、実態は今後の人生設計を見直す為のライフプランセミナーの事です。
前述の年収ロールモデルのように、50代で年収が3割減り60代でさらに3割減るから、その心構えと準備をしておいてねと言い渡されてしまう。
この研修を受けて人生の敗北感を味わう行員が続出している。

もちろん本店勤務⇒支店長と出世街道を歩む人は従来通りの高給取り。 都銀であれば、50代で2,000万円の大台に届く人もいるだろう。 でも、それは同期の中で1人か2人という狭き門。

これからは成果主義へとシフトせざる得ないから、40代で出向もありうる。 そうなったらもう給料は上がらない。 ずーっと安月給のままです。

メガバンクの中高年の処遇

50代 60代
三菱東京UFJ 52歳で出向。53歳で転籍が一般的。この年代は出向先確保に必死。 60歳まで銀行に残れば、再雇用の選択肢もあるが月収20万円前後が目安。
三井住友 同期に役員がでると、それ以外はほぼ全員出向。 60歳まで銀行に残っても、再雇用より他企業への再就職支援を推進。
みずほ 50代前半で出向。1年後に転籍が一般的。役職定年は55歳。 60歳まで銀行に残れば、65歳まで定年延長。

50代前半は良い出向先の確保競争

50代になると出向先に目途を付けねばならない。
自ら取引先に売り込みに行く人や、人事を握っている役員への社内営業を加速させる人など様々。

なんせ出向したら、1年後には転籍となるのが通例で、その後は出向先企業の給与体系に合わせられてしまう。
ここでババを引くと老後の生活設計が大きく狂ってしまう。

受け入れ側企業の景気も確実に渋くなっている。 その為、出向先で疎外感や虚無感を感じながらも、薄給を目当てにトボトボと職場へ通う羽目になる事が増えている。

やっぱり銀行員の生涯賃金はたいして良くない

それでも銀行は有価証券報告書で高賃金の給与体系を発表し続ける。 それが可能な理由は、発表する数字には出向者の給料は計算に入れなくていい事になっているから。
つまり出世競争に勝ち残った一部エリートの給料分しか含まれていない虚像といえる。 おまけに出向1年後に当該企業へ転籍となった行員は、もう赤の他人。

それにひきかえメーカーは、銀行ほど社内の出世競争が厳しくない。 まともな企業に勤めていれば、入社してから60歳まで年々給料が上がっていく仕組みが維持される可能性は高い。 これからの時代、生涯年収を考えると銀行員は不利と言わざる得ない。

今回のまとめ
  • 銀行員が高給取りというイメージは幻
  • 生涯賃金でメーカーに負ける
  • 出世は実力以上に運の要素が強い
  • 銀行員という職業は不安定



コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です